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SMART DRINKING REPORT

微アルコール飲料のトレンドと度数の選び方

0.5%や3%前後の商品群、度数を選べる店、純アルコール量という物差し。ローアルの動きを公表資料で整理します。

午後の光が差すカフェのテーブルに置かれた、氷とハーブを添えた3杯の淡い色の低アルコール飲料

度数の帯を整理する: 0.00%、0.5%、3%前後

最終更新日:

本ページの数値は、アサヒビールの公式ページ、店舗の公式サイト、厚生労働省の公開資料で確認できたものに限っています。確認できなかった項目は書かず、「公式サイト参照」としています。

ノンアルコール飲料の市場が広がる中で、最近目立つのが、アルコール分をゼロにするのではなく、少しだけ残す、あるいは低く抑える商品群です。大きく分けると、アルコール分が0.00%の「ノンアル」、0.5%前後の「微アルコール」、3%前後の「ローアルコール」の三つの帯があります。この区分は、法令で定められた用語ではなく、各社の商品説明やニュースリリースから読み取れる整理です。

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アサヒビールの公式ページには、アルコール分0.00%の商品として「アサヒドライゼロ」「アサヒスタイルバランス」「アサヒヘルシースタイル」「アサヒゼロ」「ウィルキンソン タンサン #SOBER」が、アルコール分1.0%超〜3.5%以下の商品として「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」(3.5%)、「ニッカ シードル・スイート」(3%)、「カルピスサワー」(3%)、「スラット」(3%)が掲載されています。報道では、同社が2021年3月にアルコール度数0.5%の「ビアリー」を発売し、「微アルコール」という新しいカテゴリの第1弾と位置づけたと伝えられています。

酒税法の線引きは、前の章で見たとおり、アルコール分1度が境目です。0.5%の飲料は、酒税法上の酒類にはあたりませんが、アルコールが含まれていることには変わりありません。0.00%と0.5%では、同じノンアルの棚に並んでいても、運転前や服薬中、妊娠中などの場面で判断が変わる可能性があります。商品を選ぶときは、パッケージのアルコール分の表示を確認することが基本です。

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一方、3%前後のローアルコール飲料は、酒税法の酒類です。ビール系やチューハイでよく見られる5%〜9%の商品より度数が低く、「飲みたいけれど量は抑えたい」という需要に向けた提案として位置づけられています。ローアルコールは、味わいの設計も、ノンアルとは異なります。アルコールがあることで感じられる厚みやのどの熱さを、低い度数でどう実現するかが、技術面の課題とされています。

「度数」ではなく「純アルコール量」で考える

ローアルコールや微アルコールを理解するには、度数ではなく純アルコール量(g)で考える方法が役立ちます。厚生労働省は、「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」のページで、純アルコール量を「摂取量(ml)×アルコール濃度(度数/100)×0.8(比重)」で計算できると示し、5%のビール500mlは約20gと例示しています。この式に当てはめると、飲み物ごとの違いを同じ単位で比べられます。

飲み物の例量アルコール分純アルコール量(計算値)
ビール系飲料500ml5%約20g
ビール系飲料350ml5%約14g
ローアルコール飲料350ml3%約8.4g
微アルコール飲料350ml0.5%約1.4g
ノンアルコール飲料350ml0.00%0g

厚生労働省が示す計算式(摂取量×アルコール濃度×0.8)に当てはめた計算例です。ビール系飲料500ml・5%の約20gは、同省のページにある例示と一致します。実際の商品の数値は、パッケージの表示で確認してください。

表のとおり、同じ350ml缶でも、5%の飲料は約14g、3%なら約8.4g、0.5%なら約1.4gです。度数だけを見ると差が小さく感じられても、純アルコール量にすると、量や度数の組み合わせによる違いがはっきりします。アサヒビールが2021年8月からビール系飲料、RTD、ノンアルコール飲料のパッケージに純アルコール量(g)を表示し、2023年に全商品へ拡大したのも、こうした見方を生活者に届けるための取り組みだと説明されています。

純アルコール量は、飲酒量を記録するときの共通単位にもなります。アサヒビールは2022年に、LINEのログイン機能を使って飲酒量や休肝日を記録し、純アルコール量をグラフで確認できるWebサービス「飲酒量レコーディング」を始めたと報じられました。現在の提供状況は、公式サイトで確認してください。

厚生労働省の飲酒ガイドラインが示すもの

厚生労働省は2024年に、「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」を公表しました。同省のページによると、このガイドラインは、飲酒に伴うリスクに関する知識の普及を図ること、量(ml)だけでなく純アルコール量(g)に着目して、自分に合った飲酒量を決めて健康に配慮すること、疾患ごとの発症リスクを参考にしつつ、影響には個人差があることを踏まえることを柱としています。アルコール健康障害の発生防止と、不適切な飲酒の削減を目指すと説明されています。

報道や解説では、このガイドラインが、1日あたりの純アルコール量について、生活習慣病のリスクが高まる目安として、男性は40g以上、女性は20g以上と整理していると紹介されています。また、飲酒量をあらかじめ決める、飲酒の前後や途中に食事をとる、飲酒の合間に水や炭酸水を飲むといった工夫も挙げられています。詳細な数値や条件は、厚生労働省の原文で確認してください。

国民健康・栄養調査では、生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している人の割合が毎年公表されています。報道や解説では、令和5年の値が男性14.1%、女性9.5%と紹介されています。調査の定義や年次によって数値が異なるため、引用する際は厚生労働省の調査結果で最新の値を確認することが必要です。

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ここで強調したいのは、ガイドラインの趣旨が、飲酒を勧めるものでも、禁じるものでもないことです。ノンアルコールやローアルコールの飲料は、このガイドラインの考え方と相性がよいとされますが、個人の健康状態や服薬の有無によって適切な選択は変わります。気になる場合は、かかりつけの医師や薬剤師に相談することが大切です。

度数を選べる提案: 店舗の事例

度数を自分で選べるという提案は、飲食店の現場でも見られます。東京・表参道の「SUMADORI Meets」は、ノンアルコールとローアルコールのカクテルを提供するコミュニティスペースで、公式サイトによると、シグネチャーカクテルは0%、0.5%、3%のアルコール度数から選んで注文できます。「The Collection」というミクソロジーのメニューは、0%、3%、5〜6.7%のうち、ドリンクごとに決められた度数で提供されています。「SUMADORI Custom」では、グラスや色、味わい、アルコール度数、飾りを選ぶことができると案内されています。

この店の特徴は、同じメニューから、飲む人も飲まない人も同じ飲み物を選べる点にあります。たとえば、4人でテーブルを囲んだとき、1人は0%、1人は3%、残りは0.5%といった組み合わせで、同じ名前のカクテルを楽しめます。それぞれの事情に合わせながら、同じ場を共有できる設計は、スマートドリンキングの考え方を店舗に落とし込んだ例といえます。

神田須田町の「Low-Non Bar」は、ローアルコールとノンアルコールの飲み物を中心に提供する専門バーです。運営会社のOrchard Knight Inc.の公式ページでは、バーテンダーが創作するローアルコールのドリンクやモクテルが中心と紹介されています。目黒区の「Low Alcoholic Cafe MARUKU」は、0.0%〜0.5%のクラフトビールを10種類以上揃え、通常の酒類も提供することで、飲む人も飲まない人も同じ店に入れるようにしていると紹介されています。

場面ごとに度数を考える: 情報の整理

度数の帯を場面に当てはめると、次のような整理ができます。ただし、これは一般的な考え方の例であり、個人の体質、健康状態、服薬の有無、法令上の制約によって適切な選択は変わります。運転、機械の操作、20歳未満の方が同席する場、妊娠中や授乳中、服薬中といった場面での飲用は、商品のパッケージと公式の案内、医師や薬剤師の助言を踏まえて判断してください。

食事の席で複数人が同じテーブルを囲む場面では、全員が同じ名前の飲み物を選べるように、同一ブランドでノンアル版とアルコール版が揃っていることが、選びやすさにつながります。自宅で夕食に合わせる場面では、350ml缶などの小容量で、自分のペースで量を決められる商品が使いやすいでしょう。贈答や手土産の場面では、受け取る人が飲む習慣を持つかどうか分からないため、ノンアルの選択肢を添える店舗も見られます。

店舗側の視点では、度数ごとに仕入れと提供の手順が異なります。酒類を扱う場合は、飲食店営業の許可に加え、提供する酒類の管理や、20歳未満の方への提供を行わないための確認が必要です。ノンアルのみを扱う店舗では、これらの管理は軽くなりますが、20歳以上を想定した旨をメニューに案内するなど、表示の面で配慮する例が見られます。店舗運営の制度面は、第5ページで詳しく整理しています。

RTDと度数帯の広がり

RTD(Ready To Drink)は、栓を開けてそのまま飲める缶入りの飲料を指します。酒類のRTDは、チューハイやハイボールが代表的で、度数は3%から9%程度までと幅があります。ノンアルコールのRTDは、レモンサワーやハイボールの味わいを0.00%で再現した商品が中心です。サントリーの「のんある酒場」には、レモンサワーやハイボールを模したノンアルコール商品があると公式サイトに掲載されています。

RTDの特徴は、同じ味わいで度数を選べる展開をしやすいことです。同じブランドの中に、アルコール入りとノンアルコール版を並べておけば、買い手は場面に応じて選べます。アサヒビールが掲げる、アルコール分3.5%以下のアルコール飲料とノンアルコール飲料の販売容量比率を高める目標は、こうした展開が前提にあります。比率が上がるほど、店頭の棚でも、度数の低い商品が選びやすくなることが期待されます。

ただし、度数の低い商品が増えることは、飲む量が減ることを意味するとは限りません。度数が低くなった分、杯数が増えるという見方もあり、純アルコール量で見て判断することが重要です。この点は、前述のガイドラインでも、量を決めて飲むことが推奨される理由の一つです。

トレンドを読むときの注意点

微アルコール、ローアルコールのトレンドを論じるとき、気をつけたい点がいくつかあります。第一に、若年層の飲酒行動に関する統計です。「若者の酒離れ」という言い方は広く使われていますが、世代別の飲酒習慣の割合は、厚生労働省の国民健康・栄養調査などで年次ごとに公表されています。当サイトでは、一次資料で確認できていない世代別の数値は掲載しません。最新の値は、厚生労働省の調査結果で確認してください。

第二に、メーカーの掲げる目標と、実際の売上構成比は別物だという点です。アサヒビールの「2025年までに販売容量の20%以上」は目標であり、達成状況は同社の決算資料などで確認する必要があります。第三に、微アルコールという新しい区分が、消費者にどう受け止められるかは、まだ変化の途中にあります。0.5%という数値が、運転や服薬の場面でどう扱われるべきかは、個人の判断に委ねられる部分が大きく、商品側もパッケージで丁寧に案内する必要があります。

こうした点を踏まえると、ローアルコールのトレンドは、一過性の流行というより、飲み方の選択肢が広がる構造的な変化として捉えるのが妥当だと考えられます。ただし、これは各社の公表資料から読み取れる範囲での見方であり、今後の動向を断定するものではありません。

一次情報の確認先

本サイトはノンアルコール・低アルコール飲料の市場と製法を公開情報から整理したものであり、特定の商品・店舗の推奨や健康効果の説明ではありません。アルコール度数1%未満の飲料でも、20歳未満の方の飲用や運転前の飲用を想定した商品ではない場合があります。表示・規制は各社・所管官庁の情報をご確認ください。